その症状大丈夫?犬の症状でみられる命の危険性

その症状大丈夫?犬の症状でみられる命の危険性

犬の健康問題の中には、命にかかわる深刻な症状がいくつかあります。

これらの症状が見られた場合、迅速な対応が必要です。

私も愛犬を3歳4カ月で亡くしました。取り返しがつかなくなる前に、是非飼い主様も愛犬の症状をしっかり毎日観測してあげることが重要です。

 

以下に、犬にとって特に危険な症状と、その可能性のある原因について詳しく説明します。

 

1. 呼吸困難(Dyspnea)

呼吸が苦しそう、早すぎる、遅すぎる、または口を開けて喘ぐような状態は、賞状の重度によっては非常に危険なサインです。

 

■可能性のある原因

肺炎肺水腫:肺に液体が溜まることで呼吸困難を引き起こします。

気道閉塞異物が気道に詰まることで呼吸ができなくなる。

心臓疾患心臓がうまく機能せず、血液が肺に戻ってしまうことで呼吸困難が起こります。

 

■緊急対応

すぐに動物病院に連れて行く必要があります。酸素投与や原因に応じた治療が必要です。

 

■腹部膨満(Gastric Dilatation-Volvulus, GDV)

腹部が突然膨れ、犬が苦しんでいるように見える場合、胃拡張・胃捻転の可能性があります。これは特に大型犬でよく見られる緊急事態です。

 

■可能性のある原因:

胃捻転:胃が捻じれてガスや液体が溜まり、血流が遮断される非常に危険な状態。

 

■症状

  • 腹部が急に膨れ、触ると硬い
  • 落ち着かない、吐き気があるが嘔吐できない
  • よだれを垂らす、座っていられない
  • 呼吸困難

 

■緊急対応

直ちに獣医に連絡し、手術が必要になる場合があります。この状態は短時間で命に関わるため、即時の治療が求められます。

 

痙攣や発作(Seizures)

犬が突然意識を失い、筋肉のけいれんを伴う発作を起こす場合、脳に問題がある可能性があります。

 

■可能性のある原因

  • てんかん: 遺伝性や原因不明の発作が反復する状態。
  • 中毒: ショコラ中毒、キシリトール中毒、薬物誤飲などが原因で発作が起きることがあります。
  • 脳腫瘍外傷: 脳の異常による発作。
  • 低血糖: 特に小型犬では血糖値が急激に下がると発作が起きることがあります。

症状

  • 意識喪失、身体の硬直、体が震える、よだれを垂らす
  • 発作後、しばらく混乱やぼんやりした状態が続く

 

■緊急対応

発作が数分以上続いたり、何度も繰り返す場合は、すぐに獣医に連絡する必要があります。中毒が原因の場合は早急な治療が必要です。

 

持続する嘔吐や下痢(Persistent Vomiting or Diarrhea)

単発の嘔吐や下痢はそれほど心配いりませんが、持続的な嘔吐や下痢は脱水や電解質のバランス崩壊を引き起こし、命に関わることがあります。

 

可能性のある原因

  • 中毒: 食べてはいけないもの(植物、化学物質、食品)が原因。
  • 消化器系の障害: 胃腸炎や腸閉塞。
  • 膵炎: 膵臓の炎症により、消化酵素が正常に働かず、嘔吐や下痢が続く。
  • 感染症: パルボウイルスやサルモネラ菌などが原因。

 

■緊急対応

脱水症状が現れる前に獣医に相談し、必要なら点滴などの治療を行います。特に血便や黒いタール状の便は緊急事態です。

 

出血(Hemorrhage)

外傷による出血はもちろん、内部出血も命に関わることがあります。

 

■可能性のある原因

  • 外傷や事故: 切り傷、打撲、交通事故など。
  • 中毒: 特にネズミ駆除剤(抗凝固剤)を誤飲した場合、内部出血が止まらなくなることがあります。
  • 血液の異常: 血小板が減少する病気や、凝固障害が原因の出血。

 

■症状

  • 皮膚の下に大きなあざができる
  • 尿や便に血が混じる
  • 貧血(歯茎が白くなる)

 

■緊急対応

すぐに止血処置を行い、獣医に緊急搬送します。内部出血の場合、迅速な診断と治療が必要です。

 

体温の異常(Hyperthermia / Hypothermia)

犬の体温が異常に高いまたは低い場合、危険です。通常の体温は38°C~39°Cです。

 

■高体温(熱中症)

  • 原因: 暑い場所に長時間いたり、運動のしすぎ。

  • 症状: 呼吸が荒くなる、口の中が暗い赤色になる、ぐったりしている、嘔吐や下痢をする。

  • 緊急対応: 犬を涼しい場所に移し、水で体を冷やしながら、獣医に連絡します。

低体温

  • 原因: 冷たい場所で長時間過ごした場合や、低血糖、ショック状態。
  • 症状: 震え、ぐったりする、反応が鈍くなる。
  • 緊急対応: 暖かい場所に移動させ、毛布で包んで体を温め、すぐに獣医の指示を仰ぎます。

 

歩行困難や後肢の麻痺(Paralysis or Difficulty Walking)

突然犬が歩けなくなる、または後肢に麻痺が見られる場合、脊髄や神経系に深刻な問題があるかもしれません。

 

■可能性のある原因:

  • 椎間板ヘルニア: 背骨に沿って圧力がかかり、神経を圧迫する。
  • 中毒: 特定の神経毒が神経に影響を与え、歩行困難を引き起こす。
  • 血栓: 特に大型犬で、血栓が後肢に影響を与え麻痺を引き起こすことがあります。
  • 緊急対応: 麻痺や歩行困難が突然発生した場合は、直ちに獣医に相談し、必要に応じて手術や治療を受けることが必要です。

 

緊急時の対応方法

  1. 冷静になる: 犬の様子を観察し、どの症状が最も深刻かを判断します。
  2. 獣医に連絡する: 緊急の場合はすぐにかかりつけの獣医か24時間対応の病院に電話し、指示を仰ぎます。
  3. 応急処置を行う: 呼吸が止まっている場合は心肺蘇生を試み、出血がある場合は止血を行いながら移動します。

迅速な対応が犬の命を救うことに繋がります。注意深く観察し、異常を感じたら早めの対処を心掛けましょう。

 

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