保護犬を飼うという選択肢。
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私も愛犬家の一人として、良くペットショップでワンちゃんを見に行くことがあります。昔は、犬を迎え入れる方法としては、ペットショップで購入するか、ブリーダーから購入する、もしくは知人からもらうという選択肢しかありませんでした。
しかし、愛犬を亡くしてから、いろいろなところでまた出会えるんじゃないかと考えるようになり、様々な犬のInstagramやブリーダー情報やペットショップのネット情報等、SNSをメインに愛犬がいるはずもないのに、生まれ変わりがいるんではと見てしまっている自分がいました。
そんな中、保護犬の団体のInstagramが目に留まるようになったのです。
保護犬という言葉はよく聞いてはいましたが、実際にどのような活動をしているのか等あまり気にもしていませんでしたが、調べていくうちに日本において非常に課題になっていること。海外では当たり前のように取り組みがされていること。
色々な情報が出てきたのです。
保護犬とは?
保護犬は、何らかしかの理由で、動物愛護センターや民間団体などの施設に引き取られた飼い主のいない犬や猫を指します。
その理由は様々ですが、背景から非常に考えにくい状況があるのも事実です。
- 飼い主の飼育放棄による保護犬
- 悪質ブリーダーによる多頭飼育の崩壊
- 悪質ブリーダーによる飼育放棄
- 野良犬・野良猫の保護
- ペットショップの売れ残り
保護犬の問題は、動物愛護の観点だけでなく、社会的な課題としても大きな関心を集めています。しかしながら、この問題は一筋縄では解決できず、さまざまな要因が絡んでいるのも事実です。
本記事では、日本における保護犬の現状、課題、そして解決策等、私たちに出来ることを想いに乗せてつづりたいと思います。
保護犬の現状について
日本には、年間数万頭の犬が捨てられ、または飼育放棄され、動物保護施設に収容されています。愛犬家の方からすると信じられない事実です。
特に過疎地域や高齢化が進む地域では、ペットを飼えなくなった高齢者や家族の事情で犬を手放すケースが増えています。また、ペットブームの影響で、衝動的に犬を購入したものの、飼い続けることができなくなり保護施設に送られる事例も後を絶ちません。
保護施設に収容された犬たちは、新しい飼い主に引き取られるまでの間、施設内で生活しますが、すべての犬が新しい家を見つけられるわけではありません。特に高齢の犬や病気を持つ犬、問題行動を抱える犬は、里親が見つかりにくい状況にあります。また、収容数を超えた犬たちが一部の施設で殺処分されるという悲しい現実も存在しています。
保護犬に関する主な課題
日本における保護犬の問題は、以下のような複数の課題に起因しています。
1) 飼い主の意識の低さ
日本では、犬を飼うことの責任感が十分に浸透していない部分があります。
ペットを家族の一員と考える飼い主が増えている一方で、依然として「かわいいから」「一時的に癒されたいから」という理由でペットを飼い、飼育が困難になると手放す飼い主も少なくありません。
このような飼育放棄は、保護犬の問題をさらに悪化させています。
2)法制度の不備
ブログでもご紹介していますが、日本はアメリカやEU諸国に比べ、法制度が十分ではない現状です。
日本では、動物保護に関する法律が整備されていますが、必ずしも十分ではありません。
例えば、動物愛護管理法では、飼い主がペットを適切に管理する義務が定められていますが、ペットショップやブリーダーに対する監視体制がまだ不十分であり、繁殖制限や販売方法に対する規制も緩い部分があります。
このため、過剰な繁殖や不適切な飼育が横行し、保護犬問題に拍車をかけています。
3)里親制度の普及不足
保護犬を引き取る里親制度は、日本でも存在しますが、十分に普及しているとは言えません。
多くの人々はペットショップでの購入を優先し、保護施設から犬を引き取るという選択肢を知らない、あるいはそのプロセスに対する誤解や不安が残っています。
また、保護犬の健康状態や性格に関する情報が十分に提供されていないことも、里親希望者にとっての障壁となっています。
3. 保護犬問題への解決策
保護犬問題を解決するためには、いくつかの具体的な対策が考えられます。
1)飼い主の教育と意識向上
まず最も重要なのは、飼い主の意識を高めるだと思っています。
犬を飼うことは単なる楽しみやかわいいと思うだけではなく、長期間にわたる責任が伴うことが発生するという、飼い主の十分な知識が必要です。
動物を購入する前に、飼い主としての義務や犬の飼育にかかる費用、時間、労力について十分な理解を持つべきです。
また、動物愛護団体や行政が協力して、学校教育や地域のイベントを通じて、動物との適切な付き合い方を広めることもより理解を深めるために重要だと考えています。
2)法制度の強化
保護犬問題の一因となっているブリーダーやペットショップの過剰繁殖や不適切な管理を防ぐために、法制度を強化する必要があります。
具体的には、ブリーダーや販売業者に対する監視体制を強化し、動物の健康や福祉を守るための厳格な基準を設けることが求められます。
また、犬の登録制度を見直し、飼い主の責任を明確にすることで、飼育放棄を減らすことが期待されます。
3)里親制度の充実と広報活動
里親制度の普及を促進するために、保護施設や動物愛護団体が犬の性格や健康状態に関する詳細な情報を提供することはもちろんのこと、里親になるプロセスを簡素化することも重要事項だと思います。
近年では、SNSの普及により、インターネットを介して保護犬の里親募集が行われるケースが増えており、これをさらに活用することで、より多くの人々に里親制度を知ってもらうことができ、徐々に日本でも認知が上がってきたのではないでしょうか?
4)保護施設の改善
動物保護施設自体の環境改善も大きな課題です。
施設の設備を充実させ、収容可能な動物の数を増やすとともに、スタッフの専門知識や技術を向上させることで、犬たちが適切にケアされる環境を提供することが重要です。
また、ボランティアの参加を促進し、地域社会全体で保護犬をサポートする体制を整えることも効果的です。
実際に、私が保護犬を迎え入れたシェルターさんでも、預かる犬に対して譲渡が間に合わない状況で、場所の確保が困難になっている状況でした。
そのため、保護犬を選ぶ選択肢を是非、みなさんにもお願いしたいのです。
シェルター自体も、迎え入れ頭数が増えかつ、保護犬への餌代や場所代、人件費など膨れ上がり、運営が困難になるケースも少なくありません。
4.ペットアイランドの想い
私は、溺愛していたルルという愛犬を3歳4カ月という短い命でお別れしてしまいました。ルルはペットショップで家族に迎え入れましたが、その時は保護犬の選択肢がなかったのも事実です。
その時は実際、犬の命を預かるという気持ちは今と比較すると非常に薄かった気もしています。
正直、3カ月の子犬を迎え入れ、ずっとお世話をすることは本当に大変なことです。夜泣きやトイレトレーニング、会話ができない中での不安、家を留守にできない、いろいろな部分でお金もかかります。
しかし、生命を授かって一緒に生活が出来るのは、本当に素晴らしいことと思っています。
飼い主は犬を選べますが、犬は飼い主を選べません。
それでも犬はあなたのことを永遠に死ぬまで愛してくれます。唯一の家族だからです。
これから犬や猫も同様ですが、迎え入れる方は是非覚えておいてください。
保護犬は、前段でも述べた通り、人間によって生命を授かったわんちゃんが、何の理由もなく捨てられ、商売のものとして繁殖させられている現状です。
今も日本ではこのようなブリーダーがいるのも事実です。
飼い主の都合で飼われ、飼い主の都合で捨てられ、いい生涯を送れるのも人間次第なのです。
私は、今2頭のわんちゃんを飼っています。
1歳になるポメチワの「ふふ」と、繁殖犬としてお母さんを頑張っていたビションフリーゼの「ぽぽ」です。
「ふふ」は、わずか4カ月で飼い主の都合によりシェルターに預けられ、「ぽぽ」は1歳8カ月でもう子供を産めないと判断されシェルターに預けられたのです。
犬を飼わない選択肢をする方は、本当に犬のことを考えられている方だと思います。飼っても自分では飼育できる自信がない、金銭的に難しい等、犬のことを考えているからこそ出している答えだと思うのです。
日本でもアメリカやEU諸国と同様の保護団体の活動のしやすさ、認知拡大などをペットアイランドは心より願っています。