
犬の食事に必要な栄養素とその計算式
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犬の体重に応じた適切な栄養素の摂取量を知ることは、健康を維持するために非常に重要です。
ここでは、犬に必要な基本的な栄養素、計算方法、そしてそれに合った参考食材について具体的に説明します。
手作り食などを提供している飼い主様も是非ご参考ください。
基本的な栄養素の必要量
犬に必要な栄養素は主に以下の要素で構成されます。
- エネルギー(カロリー)
- タンパク質
- 脂肪
- 炭水化物
- ビタミンとミネラル
犬の体重、年齢、活動レベル、健康状態によって、これらの摂取量は異なります。まずは、エネルギー必要量(RER: Resting Energy Requirement)を計算し、その上で栄養素の必要量を算出します。
1. エネルギー(カロリー)の計算方法
犬の1日のエネルギー必要量(カロリー)は、以下の計算式で求めます。
基礎代謝量(RER: Resting Energy Requirement)
RER = 70 ×(体重(kg))^0.75
その後、RERに活動レベルやライフステージに応じた係数をかけて、実際に必要なエネルギー量を計算します。
犬の活動レベルごとの係数
- 成犬(普通の活動レベル): RER × 1.6
- 非常に活動的な犬(運動量が多い): RER × 2.0~2.5
- シニア犬(活動量が少ない): RER × 1.4
- 子犬(成長期): RER × 3.0
例: 10kgの成犬の場合 RER = 70 × (10)^0.75 = 約400 kcal
必要エネルギー = 400 × 1.6 = 640 kcal
2. タンパク質の必要量
タンパク質は、犬の筋肉や臓器の健康をサポートするために不可欠です。通常、犬の体重1kgあたり2~4gのタンパク質が必要です。
- 成犬: 体重1kgあたり約2.5~3gのタンパク質
- 子犬: 体重1kgあたり約4gのタンパク質
具体的な計算
10kgの成犬の場合、1日あたりの必要タンパク質量は以下の通りです。
- タンパク質量 = 10kg × 2.5g = 25g
タンパク質が豊富な食材
- 鶏肉: 100gあたり約20~25gのタンパク質
- 牛肉: 100gあたり約26gのタンパク質
- 魚(サーモン、タラなど): 100gあたり約20gのタンパク質
- 卵: 1個(50g)あたり約6gのタンパク質
3. 脂肪の必要量
脂肪はエネルギー源として必要で、特に皮膚や被毛の健康にも寄与します。体重1kgあたり1~1.5gの脂肪が推奨されています。
- 成犬: 体重1kgあたり約1g
- 子犬: 体重1kgあたり約1.5g
具体的な計算
10kgの成犬の場合、1日あたりの必要脂肪量は以下の通りです。
- 脂肪量 = 10kg × 1g = 10g
脂肪が豊富な食材
- 鶏肉(皮付き): 100gあたり約9~15gの脂肪
- サーモン: 100gあたり約13gの脂肪
- オリーブオイル: 小さじ1杯(5g)あたり約5gの脂肪
- 亜麻仁油、フィッシュオイル: 良質なオメガ3脂肪酸を含む
4. 炭水化物の必要量
炭水化物はエネルギーを提供し、適量を摂取することで消化器の健康を維持します。犬の食事において、炭水化物の具体的な量の推奨はあまり定められていませんが、総カロリーの約30~50%を占めることが一般的です。
炭水化物が豊富な食材
- サツマイモ: 100gあたり約20gの炭水化物
- 玄米: 100gあたり約23gの炭水化物
- オートミール: 100gあたり約12gの炭水化物
- カボチャ: 100gあたり約7gの炭水化物
5. ビタミンとミネラルの必要量
ビタミンやミネラルは、免疫力、骨や関節の健康を保つために重要です。ビタミンやミネラルは、さまざまな食材から摂取しますが、特定の栄養素が不足しないように注意が必要です。
ビタミンが豊富な食材
- ビタミンA: レバー、卵黄
- ビタミンD: 魚類(サーモン、マグロ)
- ビタミンE: 亜麻仁油、サーモン
- カルシウム: ヨーグルト、チーズ
- 亜鉛: 牛肉、鶏肉、魚
栄養素バランスのまとめ
- エネルギー: RER × 活動係数
- タンパク質: 体重1kgあたり2.5~4g
- 脂肪: 体重1kgあたり1~1.5g
- 炭水化物: 総カロリーの30~50%
- ビタミンとミネラル: 食材から多様に摂取
これらの計算を元に、適切な食材を使って犬の健康をサポートする食事を計画することが大切です。
是非ご参考になれば幸いです。